好きになるって、予想できることじゃない。
その日までは「ふたり」で過ごしていたのに、気づけば「みっつ」の気持ちが交差して、静かに、でも確かに恋が動き出していた。
『今日好き 冬休み編2024』第3話は、水族館の静寂とともに、そんな変化がじわじわと浮かび上がる回だった。
言葉よりも雄弁な“視線”と“沈黙”が、物語を進めていく──そんな、繊細な感情の記録をここに綴ります。
※この記事には『今日好き 冬休み編2024』第3話のネタバレが含まれます。
・はるな・たくや・らいち、揺れ始めた三角関係
・「追いかけたい」と「追われたい」恋のかたち
・沈黙に漂う、“ふたりの距離”の変化
『今日好き 冬休み編2024』第3話ネタバレ|恋が交差する水族館の午後
3日目の舞台は、水族館。
ガラス越しに揺れる光と、静かな空気に包まれて、恋の距離が少しずつ変わっていく──
はるな・たくや・らいち、それぞれの“想い”が交差する午後には、言葉よりも濃い感情が潜んでいました。
沈黙が語った“気持ちの予感”
たくやとはるなが並んで水槽を見つめる──ただそれだけのシーンだったはずなのに、画面越しにも妙な緊張感が伝わってきた。
BGMは薄く、ほとんど聞こえないほど静かで、その沈黙が、ふたりの距離の近さと遠さの両方を象徴していたようだった。
「幼稚園から高校まで、ずっと好きだった人がいた」──たくやがそう打ち明けたとき、はるなは驚くでもなく、静かに微笑んだ。
その笑顔には、「想像していなかった一面を知った」戸惑いと、それを“嬉しい”と思ってしまった気持ちがにじんでいたように思う。
言葉を交わさなくても、目の前にいる誰かの“輪郭”が少しずつ見えてくる時間。
まだ恋とは言えないけれど、その静けさに宿る“予感”が、ふたりの関係をそっと前へ進めていた。
選んだキーホルダーに込めた“好き”のニュアンス
お土産コーナーで、らいちがはるなに差し出した“サメのぬいぐるみ”。
「なんでこれなの?」と笑いながら受け取ったはるなの声には、嬉しさと少しの戸惑いが混じっていた。
きっと彼は、自分らしい“好き”の伝え方を探していたのだと思う。照れくささを隠すための少しふざけたプレゼント。でも、それはまぎれもない本気のアプローチだった。
対照的に、たくやが選んだキーホルダーには、はるなが“途中で目に留めたもの”という伏線があったようにも感じた。
プレゼントを選ぶ時間のなかで、たくやははるなを見ていた。彼女の興味、表情、そのささいな反応。
「気づいてくれてたんだ」と思えるものを贈るやさしさに、彼の“好き”は込められていた。
らいちの“目立つ好き”と、たくやの“静かな好き”。どちらも真剣だからこそ、はるなの心を揺らすのだろう。
恋って、アピールの仕方だけじゃなくて、「その人らしさ」が出るものなんだと、改めて思わされる場面だった。
まほこ×くめはる──「追われたい」気持ちと、そっと伸ばした手
動物園でのまほことくめはるのデートは、派手なドラマがあるわけではなかった。
でも、そこには言葉にならない思いや、少しずつ育っていく信頼の“芽”のようなものが確かに存在していた。
このふたりの関係は、「はじまりの静けさ」が似合う恋──そう感じさせるような、穏やかでいて少し切ない時間でした。
「私は追われたい」まほこの言葉に込めた、恋愛の輪郭
まほこがぽつりと口にした「私は追われたい」という一言。
それは単なる恋のスタイルではなく、「ちゃんと想われたい」「安心したい」という願いの裏返しにも聞こえた。
過去の恋で、たとえ好きでも“追いかける側”にまわる苦しさを知っているからこそ出てきた本音。
その気持ちを、くめはるは驚くでもなく、まっすぐに受け止めた。
「恋愛してるって感じ、するよ」
彼のその言葉は、相手の気持ちに寄り添う、優しくて誠実な返答だった。
まほこの想いに真正面から答えたくめはるの姿に、信頼がひとつ増えたような気がした。
“ふたり”でいる時間に流れたやさしい間
動物たちを見ながら、ただ話す。笑う。歩く。
派手な言葉はなかったけれど、ふたりのあいだに流れていたのは、“自然”という名のやさしさだった。
恋愛リアリティショーのなかでは、どうしても“言葉”や“告白”に注目が集まりがちだけど、
このふたりの時間はむしろ、言葉にしないことで伝わる空気感が大切だった気がする。
まほこが少し顔を伏せたとき、くめはるが言葉を急がなかったのも、ちゃんと“待ってくれる人”だと伝える仕草だったのかもしれない。
無理に近づかない、でもちゃんと見ている──
そんな、丁寧な恋の入り口が、確かにそこにはあった。
女子メンバーの気持ちと表情|沈黙の中にある恋の濃度
水族館でも動物園でも、表面上は静かな時間が流れていたけれど──
その裏側で、女子メンバーの視線や沈黙が語っていたことは、想像以上に繊細で複雑だった。
みづき、まほこ、はるな──それぞれの表情ににじんでいたのは、まだ言葉にはならないけれど、確かに“恋”だった。
みづきの沈黙が意味する“第三者のまなざし”
らいちとペアになったみづき。
彼女はどこか、一歩引いた場所から全体を見つめているような印象を受けた。
会話のなかにちゃんと参加しているのに、心はそこにいないような──そんな“間”があった。
はるなとらいちのやりとりを近くで見ていたからこそ、そこに入り込むことを選ばなかったのかもしれない。
その沈黙には、「この恋は私のものじゃない」と察したような、大人びた優しさが滲んでいた。
はるなと向き合う、らいちの視線の強さ
水族館で、らいちがはるなに向けた視線は、言葉以上にまっすぐだった。
サメのぬいぐるみを渡すとき、彼は冗談めかして笑っていたけれど、その目には“本気”の気配があった。
どんな形でも、自分の気持ちを届けたい──そんな強さが、彼の視線には込められていたように思う。
その一方で、はるなの表情は少し曇っていた。
たくやといるときの“素の笑顔”とは少し違う、迷いと戸惑いが混ざった目線。
誰かを選ぶということは、誰かを選ばないということでもあるから。
その重さに、少しずつ向き合い始めた瞬間だったのかもしれない。
AbemaTVの演出意図と編集の妙|“恋愛”を映す光と音
『今日好き』の魅力のひとつは、言葉よりも“空気”で恋の気配を感じさせる演出にある。
第3話では特に、水族館という閉ざされた空間での光・音・編集が、登場人物の感情をより繊細に浮かび上がらせていた。
このセクションでは、その“語られなかった心”に耳をすませてみたい。
水族館の“静けさ”が告げた、心のざわめき
水族館のシーンでは、BGMが極端に抑えられ、波の音と小さな会話だけが響いていた。
その“静けさ”がかえって、たくややはるなの心のざわめきを際立たせていたように思う。
ガラス越しの光が揺れるなか、たくやの素直な話に少しずつ心を開いていくはるな。
まるで、その沈黙が恋の予感そのものだったかのように。
視聴者にも、余白を感じさせる静寂が心に残った場面だった。
動物園で揺れた「ふたり」の温度差
一方、まほことくめはるの動物園シーンでは、映像のテンポが少しだけ緩やかになっていた。
カメラはふたりをロングショットでとらえ、距離感を強調するように見えた。
まほこが「追われたい」と打ち明けたとき、くめはるの表情を切り取る編集は、数秒の“間”を丁寧に残していた。
この“間”があったからこそ、彼の「恋愛してるって感じ、するよ」という言葉が自然に心に響いたのだと思う。
言葉を返す前の数秒が、ふたりの“丁寧に向き合う姿勢”を物語っていた。
AbemaTVの演出は、ただ恋を見せるのではなく、感情の奥行きまで感じさせてくれる──そんな魅力にあふれていた。
🧠 もし私だったら──
もし私が、はるなの立場だったら。
たくやのやわらかな優しさと、らいちの一途で真っ直ぐな気持ち、そのどちらにも心が揺れてしまっていたと思う。
「優しくされたから」じゃなくて、「大事にされてるって感じたから」。
そういう瞬間って、ふと心に残ってしまうんだよね。
たとえば、さりげない気遣いに気づいてくれたとき。
自分のことをちゃんと“見てくれてた”って思えると、それだけで胸があたたかくなる。
一方で、「好き」って言葉をまっすぐぶつけられると、戸惑いながらも嬉しくなってしまう自分もいて。
そんな気持ちのあいだで揺れてしまうのは、きっと、恋をしている証拠なんだろうな。
どちらの想いも本気で、どちらの距離感にも嘘がないからこそ、選べなくて苦しくなる。
“選ぶ”って、相手のことをちゃんと見つめることであると同時に、自分の心と向き合うことでもあって。
もし私だったら…最後の一歩が踏み出せなくて、静かに涙をこぼしてしまっていたかもしれない。
「わたしだったら、どうしてただろう?」
画面を見ながら、そんなふうに自分に問いかけた人も、きっと少なくなかったんじゃないかな。
💌 しおりのこぼれ話
第3話を見終えたあと、不思議と“水族館の静けさ”が心に残っていた。
セリフが少ないシーンなのに、なぜか感情が溢れてくるような──そんな時間だった。
あの沈黙はたぶん、「言葉にしなくても伝わるはず」って、どこかで信じていたから生まれたもの。
でも同時に、言葉にしなかったことで、すれ違ってしまう“何か”も確かにあったように思う。
恋って、どこか“祈り”に似ているよね。
「この想いが、ちゃんと届いていますように」
「目をそらさずに、向き合ってくれますように」
そうやって、自分の気持ちを誰かに預けるような時間のなかで、どうしても不安にもなる。
だからこそ、水族館という場所が、この回にぴったりだったのかもしれない。
閉ざされた空間に浮かぶ光と影、そのなかで言葉よりも強く伝わる“沈黙”の重さ。
あの場所で交わされた“会話にならない会話”が、たくや、はるな、らいち──それぞれの心を少しずつ変えていったように思う。
いつもは気づかない、誰かの視線のやさしさとか。
ふいに笑いあったときの、ちょっとした間の温度とか。
そういうものに心が動く瞬間が、恋の始まりなのかもしれないなって、ふと感じさせられた回でした。
まとめ|“ふたり”の時間が、“みっつ”になる瞬間
「好きになる」って、ただの選択じゃない。
たった一言の会話、ふいに重なる視線、そして言葉にできない沈黙の中──
そのすべてに、恋は少しずつ宿っていく。
第3話は、まさにその“気配”の連続だった。
たくやの静かな優しさに触れて、はるなの表情が少しだけやわらいだとき。
らいちが、不器用ながらもまっすぐに想いを伝えたプレゼントの瞬間。
そして、まほこの「追われたい」という切実な本音に、くめはるが丁寧に寄り添ったあの時間──。
どれも、「ふたりだけの世界」が少しずつ広がって、“みっつ”になる予感に満ちていた。
その変化はきっと、恋が始まるときにしか生まれない温度。
でも、恋のかたちはひとつじゃない。
視線だけで通じる関係もあれば、言葉で確かめたくなる関係もある。
どちらも本物で、どちらも正しい。
だからこそ迷うし、だからこそ誰かを選ぶことが、こんなにも苦しくて、愛おしい。
“ふたり”だった関係が、“みっつ”に揺れたこの回。
その波紋がどこにたどりつくのか──次回の展開を待つあいだ、私たちは少しだけ、自分の過去の恋を思い出してしまうのかもしれません。
コメント